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肺炎球菌ワクチン

目次

肺炎球菌性肺炎とは

肺炎球菌ワクチン①ニューモバックス(23価ワクチン)

肺炎球菌ワクチン②プレベナー(13価ワクチン)

ニューモバックスとプレベナーの比較

肺炎球菌ワクチンを打った方がよい人

肺炎球菌ワクチンの効果

肺炎球菌ワクチンと他の予防接種との間隔は?

肺炎球菌性肺炎とは

日本人の死因の第3位にあたるのが肺炎です。さらにそのうち90%を占めるのが、65歳以上の高齢者です。

肺炎球菌は肺炎の原因菌として最も多い細菌です。肺炎に罹患しても多くの場合は適切な治療によって改善し治癒しますが、入院や自宅安静によって日常生活動作(Activities of Daily Living: ADL)が低下して、その結果介護を要する状態に陥る可能性が高まります。

また、全身に肺炎球菌が拡散する侵襲性肺炎球菌感染症に陥ることもあり、これは致死的病状です。肺炎球菌ワクチンの接種による肺炎球菌感染症の予防は高齢者の健康維持にとても重要だと考えられます。
肺炎球菌は、肺炎以外にも気管支炎、敗血症などを合併することがあります。
肺炎は、風邪・インフルエンザをきっかけとして合併することも多いため、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの両方を接種されることをおすすめします。

肺炎球菌ワクチンにはニューモバックスとプレベナーの2種類があります。

ニューモバックス(23価ワクチン)

対象者は市から案内が送られます。肺炎の予防には5年毎の接種が推奨されますが、費用助成は1度のみで、以降は任意接種となります。

詳細は加東市のホームページをご覧ください

費用助成のない方については8000円(+税)にて承っております。

プレベナー(13価ワクチン)

プレベナーは公費の対象外です。ニューモバックスと異なり免疫記憶がつきやすいため、接種回数は生涯で1回のみです。より高い免疫獲得を目指すにはプレベナーとニューモバックスの併用が可能です。

こちらは市町村からの費用助成はありません。

11000円(+税)/回にて承っております。

ニューモバックスとプレベナーの比較

 

ニューモバックス(23価ワクチン)

プレベナー(9価ワクチン)

メリット 1回目は公費補助がある 一生で1回接種すれば、効果は持続する
デメリット 1回の接種で5年しか効果がないので、5年毎に打つ必要(2回目以降は自費で8000円) 自費(11000円)で打つ必要がある
肺炎球菌性肺炎の予防効果 約30~40% 45%(ただし単一試験の報告のみ)
侵襲性肺炎球菌感染症の予防効果 45%(65歳以上では39%) 75%(ただし単一試験の報告のみ)

比較表をだしましたが、この2つのワクチンを併用することで、強い肺炎予防の効果を期待できますので、順番はどうであれ、どちらも打つことをおススメします。

スケジュールについては

 

肺炎球菌ワクチンを打った方がよい人

1)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病 のある患者様。タバコを吸われる方も含みます
2)高齢者(特に65歳以上)
3)免疫抑制作用を有する治療(例えばリウマチの治療)が予定されている者。免疫が低下している患者様
4)脾臓を摘出された/今後摘出予定の患者様

肺炎球菌ワクチンの効果

ニューモバックス(23価ワクチン)の場合

肺炎球菌には 93 種類の血清型があり、ニューモバックスは、そのうちの23種類の血清型に効果があります。93種類のうち、23種類にしか効果がないのか・・・と思われるかもしれませんが、実はこの23種類の血清型は成人の重症の肺炎球菌感染症の原因の64%を占めています。

ニューモバックスにより侵襲性肺炎球菌感染症の発症を45%減少させることことが日本の国立感染症研究所の研究でわかっています。

海外でもニューモバックスにより侵襲性肺炎球菌感染症の発症を40~70%減少させることがわかっています。

効果時間としては約5年といわれていますので、5年毎に接種することで効果が持続すると考えられています(公費負担は1回目のみであり、2回目からは自費になります)。

プレベナー(13価ワクチン)の場合

オランダで行われた研究結果では65歳以上の高齢者にプレベナーを予防投与することにより肺炎球菌感染症の発症が約半分に減少したと報告されています。

安全性でもニューモバックスとプレベナーはほぼ同等といわれていますし、プレベナーの免疫原性はニューモバックスと同等もしくは優れているとされています。

しかし、日本における実績に乏しいこと、近年プレベナーで対応できる血清型が減少傾向にあること から、定期接種の対象にはなっていません。

なお、ニューモバックスと違い1回の接種で生涯免疫が持続し肺炎予防効果があります

肺炎球菌ワクチンと他の予防接種との間隔は?

肺炎球菌ワクチンは生ワクチンではないのでインフルエンザワクチンなどの不活化ワクチンと同様扱われ、接種後7日後には他のワクチンを接種することが可能です。ただ、インフルエンザワクチンとの同時接種(同日あるいは14日以内の接種)については、海外では多数実施されており、その安全性に問題はないとされています。

 

■参考文献

ニューモバックス添付文書

N Engl J Med 2003;348:1747–55.

N Engl J Med 2015;372:1114–25.

Pneumonia.2014;3:95

成人侵襲性肺炎球菌感染症に対する23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンの有効性.2018; IASR 39:115-6.

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