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糖尿病の食事療法

糖尿病の食事療法、どうしたらいいの?

まずは当たり前のようですが、以下の4つのポイントが重要です。

1日3食、規則正しく摂りましょう。3食の量は均等にして、食事と食事の間隔は十分にとりましょう。

栄養バランス良く摂りましょう。主食・主菜・副菜 を揃えましょう。血糖値に影響をおよぼす糖質の量を意識しましょう。

適切なエネルギー(カロリー)量を摂りましょう。腹八分目を目安に。

アルコールはほどほどに。

(参考)果物との付き合い方

 

ここで、それぞれについて注意点を述べておきます。

①1日3食、規則正しく摂りましょう。3食の量は均等にして、食事と食事の間隔は十分にとりましょう。

よく、患者様からの質問で、「糖尿病だし、あまりカロリーも摂りたくないから1日2食でいいですか?」とか、「朝はもともと食べないタイプなんです」と聞かれます。これは正しいのでしょうか?

☞ 答えはノーです。

1日2食の気持ちもわからなくはないですが、質の良い朝食は1日の血糖コントロールにいい影響を与えることがわかっています。

また、1日3回の食事よりも、1日2回、1回と回数が少ないほど食後の血糖値が高くなることが知られています。

糖質が少なく食物繊維がたっぷりの朝食を摂ると、朝食後の血糖値の上昇がおだやかになるだけでなく、昼食後の血糖値まで上がりにくくなります。 このように、次の食事の後の血糖値にまで影響が及ぶ現象を「セカンドミール効果」と言います。

普段から朝食を抜いている人は、軽めでもいいので毎日朝食を摂るようにしましょう。主食には、シリアルなど食物繊維を多く含む食品を選ぶのがオススメです。野菜や果物、脂肪の少ない肉、卵、大豆なども取り入れれば、よりヘルシーな朝食になります。

 

♠ココが注意!こんな食べ方は要注意

・早食い、ドカ食い・・急激に食事が吸収され、急激な血糖上昇につながります。満腹感も感じにくく、食べ過ぎの原因にもなります。

・寝る前に食べる・・寝てる間、ずっと血糖が高いままです。睡眠の2時間前は食事を避けましょう。

・糖質の重ね食い・・ラーメン+チャーハン、お好み焼きと白米など。高血糖に繋がります。

・間食・・どうしてもデザートや甘味類を食べたいときは、3時や夕食後のおやつでなく、食事と同時に摂りましょう。

・高脂肪食・・中華、カレー、オムライス、カルボナーラ、ステーキなど脂肪分が多く含まれているものを食べると、急激な血糖上昇はみられませんが、長時間ダラダラと血糖が高い状態が続きます。

②栄養バランス良く摂りましょう。主食・主菜・副菜 を揃えましょう。血糖値に影響をおよぼす糖質の量を意識しましょう。

主食とは、体のエネルギー源となる炭水化物を多く含む食品です。具体的には白米、パン、パスタ、うどん、じゃがいもなどです。

主菜とは、筋肉や血液となるたんぱく質を多く含む食品です。具体的には肉、魚、大豆、卵などです。

副菜とは、体の調子を整えるビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む食品です。具体的には野菜、しめじ、こんにゃく、わかめなどです。

 

食べる順番も大切で、食物繊維を多く含む野菜サラダなどを先に食べ、その後に米などの主食を食べると、食後の血糖値の上昇が少なくなることが知られています。

野菜のほかにも、きのこや海藻もすすめられます。

③適切なエネルギー(カロリー)量を摂りましょう。腹八分目を目安に。

食事療法は高血糖や脂質異常症、肥満の改善に有効です。性別・年齢、肥満度、血糖値、合併症の有無、活動量などから、必要なエネルギー量が決まります。

これまで、全年齢の患者様において、目標体重はBMI22が望ましいと考えられていました(※注 BMI=体重÷身長(m2)÷身長(m2))。

しかし、高齢の方の場合はかならずしもBMI22という数値目標がよいとは限らず、かえって食事制限をすることで筋力低下がおきることも良くないことがわかってきました。

これらのことから患者様の年齢によって、目標体重は以下のように異なります。


目標体重(kg)の目安

総死亡が最も低いBMIは年齢によって異なり、一定の幅があることを考慮して以下の式から算出します。
  65歳未満:[身長(m)]2×22
  65歳から74歳:[身長(m)]2×22~25
  75歳以上:[身長(m)]2×22~25※

※:75歳以上の後期高齢者では、現体重に基づき、フレイル、基本的ADL低下、併発症、体組成、身長の変化、食事状況や代謝の状況を踏まえて判断します。
 


総エネルギー量は、年齢ごとの目標体重と身体活動量によって決まり、以下の計算式で計算します。


身体活動量

  軽い労作 :25~30kcal/kg (座っていることがほとんど)
  普通の労作:30~35kcal/kg (座っていることが多いが、通勤・家事・軽い運動を行う)
  重い労作 :35~kcal/kg (力仕事、活発な運動習慣がある)

例えば、80歳で身長168cm、普段の買い物は自分でいけているような患者様を例にとって考えてみましょう。

 
目標体重は
身長(m)×身長(m)×22~25で計算すると、
目標体重は、1.68×1.68×(22~25) = 62~70.5kg となります。
身体活動量は、普通の労作ができている患者様ですので、
1日の総エネルギー摂取量=(62~70.5)×(30~35) = 1860~2468 kcal 程度となります。
 
実際に80歳になって1860~2468 kcal、間をとっても2200kcalくらいを摂取できるかといえば全員が全員できるとは思いませんが、
糖尿病なので食事制限をしないといけない というのはもう時代遅れの考えかもしれません。
 
「糖尿病でもよく食べて、体力つけて長生きする。食べることは我慢しない。」という考えで私は糖尿病診療にあたっています。
 

④アルコールはほどほどに。

アルコールを摂りすぎると、飲みながらつまみをダラダラと食べてしまい、食事量が増える傾向にあります。

またアルコールにより肝臓に脂肪がたまるとインスリン抵抗性をきたして食後の血糖値が下がりにくくなります。

アルコールの目安は1日25g程度にしましょう。

間違っても「ご飯の代わりにお酒」はNGですし、週に2回は休肝日を作りましょう。

果物との付き合い方

果物は水分、ビタミン、ミネラル、食物繊維を含み、栄養補給に有用ですがとりすぎは血糖上昇、中性脂肪や体重の増加をきたしやすくさせます。

果物の摂取量は以下の量を目安にしましょう。

果物の種類 1日に摂っても良い目安量
みかん 2個
りんご 1/2 個
なし 1/2 個
かき 1個
ぶどう 10~15粒
もも 1個
キウイフルーツ 小2個
バナナ 1本

 

 
減塩のコツは、高血圧のページで記載していますので、興味のある方は参照ください。

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