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糖尿病の運動療法

目次

運動がなかなかできない理由は?

あなたの運動習慣の段階は?

運動するとどのような効果があるの?(急性効果と慢性効果)

どのような運動をどれだけの時間すればよいの?

コロナが怖い。家で気軽にできる運動、膝が痛くてもできる運動を教えて

運動してはいけない場合はあるの?

 

運動がなかなかできない理由は?

運動がなかなかできない糖尿病患者さんの理由を聞くと、以下の5つが主にあるようです。

(参考文献:目で見てわかる糖尿病3 診断と治療社)

その他、外来診療をしていると、暑いから、寒いから、日が昇ってないから、コロナが怖いから といった様々な理由を聞きます。

みなさんの運動をできない理由は何でしょうか?

 

あなたの運動習慣の段階は?

人間の心理には、以下の5段階があるといわれています。

どの段階にいるでしょうか?

多くの方が、「わかってはいるけど実行にうつせない、実行にうつす気がない」ではないでしょうか。

この場合、「運動のよさはわかっている」といいつつも、運動をすることでなにがどうよいのか というのが具体的に思い浮かべることができない状態にないでしょうか。つまり「なんとなく運動はよさそうだ。でも、なにによいのか といわれると言葉につまる」といった状態です。

まずは皆さまに、運動のメリットを述べていきたいと思います。

 

運動するとどのような効果があるの?

適度な運動は、インスリンの効きをよくし、短期的にも長期的にも血糖コントロールを良好にしてくれます。

急性効果(すぐにでてくる効果)

筋肉が伸びたり 縮んだりを繰り返すと、糖が使われ、血糖値が下がる

慢性効果(長期的にでてくる効果)

筋肉がついて、脂肪が減ることで、インスリンの効きがよくなる体質に改善する。インスリンの効きがよくなることで、最終的に血糖値が下がる

血糖コントロールがよくなることで、糖尿病のお薬が1つ減る ということも十分にあり得ます。

 

血糖値によいだけでなく、運動には様々な効果があります。

  • 脂質異常症が改善する (悪玉コレステロールが減る、善玉コレステロールが増える、中性脂肪が減る)
  • 血圧が高めの人は低下する
  • 動脈硬化を予防する。
  • 減量と、体脂肪率の減少
  • 心肺機能が改善する。
  • 筋力が増強する。骨粗鬆症の予防になる。
  • ストレス解消になり生活の質が改善する。
  • 認知症予防

どのような運動をどれだけの時間すればよいの?

血糖値のコントロールに適切な運動は、

有酸素運動・レジスタンストレーニング・ストレッチング の3つをバランスよく組み合わせることです。

有酸素運動

散歩やウォーキング、階段歩行、ゴルフ、サイクリングなどです。水中ウォーキングも含まれます。

レジスタンス運動

ダンベル、腹筋、腕立て伏せなどです。

ストレッチング

その名の通りストレッチやラジオ体操などです。

まずは、とっかかりやすく、血糖値を下げる効果も強い有酸素運動を行うのがよいと考えます。

運動の強さは、やや楽~ややきついと感じる程度のものを、1日30分程度(こまぎれでもいい)、できれば毎日、少なくとも週3~5日以上、食後1時間程度経ったころに行うのが効果的と考えます。

近距離なら車を使わない、万歩計をつける、エレベーターやエスカレーターでなく階段を使う、普段からウォーキングシューズを履く、運動仲間を作る など、身近なことから始めてみましょう。

万歩計をつける場合、1日の運動量として1万歩 が目安になります。

 

参考までに100kcal消費する運動と時間の関係を載せておきます。メタボリックシンドローム・肥満のページも参照ください。

軽い散歩 30分
軽い体操 30分
ウォーキング 25分
自転車(平地) 20分
ゴルフ 20分
ジョギング 10分
テニス 10分
水泳(クロール) 5分
バスケット 5分

 

コロナが怖い。家で気軽にできる運動、膝が痛くてもできる運動を教えて

実際、皆様が希望されるのは家で気軽にできる運動かと思います。

日本糖尿病協会から非常にユニークで、ためになる動画が配信されていますので、是非ご参考にしてみてください。

日本糖尿病協会から許可をいただきましたので、動画のページをリンクしております。

 

運動してはいけない場合はあるの?

以下のような場合については、運動により合併症を悪化させたりすることがありますので注意してください。

  • 血糖コントロール不良の方(例えば空腹時血糖250mg/dl以上)
  • 出血の危険のある糖尿病性網膜症がある方
  • 糖尿病性腎症(腎不全,タンパク尿)のある方
  • 高度の自律神経障害(たちくらみがひどいなど)のある方
  • 心血管系の疾患(狭心症や心筋梗塞,高血圧)を持つ方
  • 感染症にかかっている方

 

■参考文献

日本糖尿病協会ホームページ

 

 

 

 

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