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肺気腫(COPD)、たばこ肺

目次

肺気腫(COPD)とは?肺気腫(COPD)になる理由は?

肺気腫(COPD)の症状は?

肺気腫(COPD)はどれくらいの患者さんがなっている?

肺気腫(COPD)はどのように診断するの?

肺気腫(COPD)はなぜ悪いの?肺気腫(COPD)を治療する理由は?

肺気腫(COPD)の治療はどうするの?

肺気腫(COPD)とは?肺気腫(COPD)になる理由は?

COPD(シーオーピーディー と呼びます)とは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなることによって、通常の呼吸ができなくなり、息切れがおこります。

長期間にわたる喫煙習慣が主な原因で、ヘビースモーカーに多く90%以上は喫煙者です。COPDは肺の生活習慣病と言われています。

受動喫煙によっても起こります。

近年、タバコが健康へ及ぼす影響が明らかになり喫煙率は低下していますが、COPDによる死者数はたばこの消費量の増加から約30年遅れて増加します。今後もCOPDによる死亡者数は増加する見込みですので注意が必要です。

肺気腫(COPD)の症状は?

代表的な症状は“息切れ”です。特に体を動かしたとき、例えば階段の昇降時や坂道をのぼるときに気づきます。

知らない間に階段を使わなくなったり、坂道を避けるようになります。

その他の症状は

  • 長く続く咳と痰
  • かぜをひいたとき、あるいは運動をしたときに呼吸がヒューヒュー、ゼーゼーする

といったもっのがあります。

さらに病気が進行すると以下のような症状が出て、最終的には酸素吸入器を使わないと日常生活が送れなくなる方もおられます。

  • 口すぼめ呼吸(体を動かして息切れを感じたときに、意識的に口をすぼめる呼吸)
  • じっとしていても呼吸が苦しい

肺気腫(COPD)はどれくらいの患者さんがなっている?

40歳以上の日本人の8.6%はCOPD の疑いがあることがわかりました。年齢的にみると、70歳以上の高齢者が最も多いことがわかりました。社会の高齢化に伴い、現在ではもっと有病率※が増加していることが推察されます。

肺気腫(COPD)はどのように診断するの?

スパイロメーターという器械を用いて呼吸機能の検査を行います(当院にはあります)。

この検査は、最大限に吸えるだけの息を吸い、それを思いきり強く吐き出した空気の最大量(肺活量)と、最初の1秒間に吐き出される空気の量(1秒量)を測定し、これら2つの測定値の比(1秒率)を出すものです。
痛みを伴う検査ではありませんので、ご安心ください。

また、病院にいかなくてもご自宅で肺気腫かどうかをチェックするのに以下のチェックシートが有用です

判定方法

4点以上☞COPDの可能性があります。

肺気腫(COPD)はなぜ悪いの?肺気腫(COPD)を治療する理由は?

COPD 患者群さんは、COPDでない患者さんと比べて肺炎、高血圧症、心不全、肺癌による死亡率が高いことが報告されています。

肺炎はが16 倍、骨粗鬆症が 3.14 倍、心筋梗塞が 1.75 倍、狭心症が 1.67 倍、骨折が 1.58 倍、緑内障が 1.29 倍起こりやすいというデータもあります。

しかし、タバコをきっぱりやめて適切な治療を受ければ、病気の進行を遅らせ、症状を楽にすることができます。

禁煙するのに遅すぎる ということはありませんので、早めに禁煙をオススメします。

肺気腫(COPD)の治療はどうするの?

禁煙

COPD治療のなかで、もっとも有効なものは禁煙です。禁煙により、COPDの進行がおさえられるばかりでなく、さまざまな病気にかかる確率が低下します。

当院では禁煙外来を行っています。詳しくはこちら

運動

息切れを軽減し、生活の質を高めるためには、歩行や筋力トレーニング、ストレッチングなどの運動を日常的に行うことも大切です。

症状に合わせた、毎日15~30分のウォーキングなどの運動、呼吸体操などの筋肉の強化、柔軟性を維持するストレッチ などが有効です。

運動を行うことで入院日数が減ったり、入院回数が減るメリットを得られます。

栄養管理

COPD患者さんの中には、体重が減少する患者さんがかなり多くみられます。通常、体内の脂肪と筋肉が減少します。
体重減少を防ぐため、日頃から、以下のポイントに気をつけて食生活を送りましょう。

1.健康な人よりカロリーを多めに摂りましょう。1回の食事を多く摂れない方は、食事回数を増やすのも1つの方法です。
2.特に良質のたんぱく質をたくさん摂取するようにしましょう。たんぱく質のなかでも分枝鎖アミノ酸(とうもろこし、牛乳、鶏卵、鶏肉などに多く含まれます)をたくさん含むものを食べましょう。
3.消化管内でガスが発生すると横隔膜の動きが制限され、息切れが悪化することがあります。便秘がちの人やおなかが張りやすい人は、いも類、豆類、炭酸を含む飲みものなど消化管内でガスを発生させるような食品の摂りすぎには注意しましょう。

薬物療法

薬物療法は息切れを軽減して、運動能力を高めることを目的としています。
COPDが重症でなければ、息切れはからだを動かしたり運動したりするときにのみ感じます。そのようなときに薬物治療をすると、その効果を実感できます。

①吸入気管支拡張薬

気管支拡張薬はCOPDのすべての症状における第ー選択薬です。気管支拡張薬は、気管支を広げ、空気の通りをよくするので、息切れの症状の改善などCOPDの治療において中心的なお薬です。

  • 長時間作用性抗コリン薬(LAMA)
  • 長時間作用性β2刺激薬 (LABA)
  • 配合薬(長時間作用性抗コリン薬LAMA/長時間作用性β2刺激薬LABA)

喘息を合併したときには上記に加えて吸入ステロイドを使用する場合もあります。

②去痰薬

たんを出しやすくしたり、たんをやわらかくします

ワクチン接種

インフルエンザワクチン
肺炎球菌ワクチン

どちらも積極的に打つことをオススメします

酸素療法

COPDに有効な治療法をすべて行っても、低酸素血症が継続する場合には、酸素療法を開始しなければなりません。
詳しくは在宅酸素 のページを参照ください

 

■参考文献

日本呼吸器学会誌第3巻第3号 特集 COPD の最新情報

Martinez F.J.et al. COPD 2008;5(2):85.

Pharma Medica. 2014;32(1):98-104.

Chest 2005; 128: 2005-11.

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