低血糖とは
目次
低血糖 とは？
一般的には、 血糖値 が 70 ㎎ /dl 未満 になった 状態 のことをいいます。
低血糖 の 症状 とは？
血糖値によって 生じる症状 が 異なります 。
また、個々人 によっても 症状 の 感じ方 が 異なります。
一般的な症状は以下の通りです
| 血糖値 | 症状 |
| 80～60mg/dl | 空腹感、生あくび、動悸、手足のふるえ、発汗 |
| 60～40mg/dl | 不安感、集中力の低下、頭痛 |
| 40mg/dl未満 | 異常行動、けいれん、昏睡 |
低血糖で一番おそろしいのは、無自覚性低血糖と私は考えています。
血糖が下がってくると空腹感が出現し、動悸が出現し、頭痛が出現し、など順を追って症状がひどくなることが通常です。しかし低血糖を何度も過去に起こし、それに体が慣れてしまうと、血糖値が下がってきても低血糖症状が出現しません（これを無自覚性低血糖といいます）。結果として低血糖への対処ができないままに、突然として異常行動をおこしたり、けいれんを起こしたり、昏睡状態に陥ります。
「以前低血糖になったけど大したことにならなかったから、低血糖は怖くない」ではなく、
「以前低血糖になって大したことなかった。でも体が低血糖に慣れてしまってるから、次はもっとひどい低血糖になるかもしれない」
という意識が必要だと考えられます。
なぜ低血糖になるの？
一番多いのは、糖尿病のお薬が効きすぎた場合に低血糖になります。
特にSU剤と呼ばれる経口血糖降下薬や インスリン で 治療 している 方 が、以下のような状態になったときに起こりやすいとされます。
＜低血糖を起こしやすいタイミング＞
①普段より食事の量が 少なかったとき
②食事時間が遅れたとき。インスリンを打ったが食事を摂らなかったとき
③普段より運動したり、体を動かした とき
④食前 や 空腹時 に 運動 を 行った とき
⑤飲み薬 やインスリンの 量 が 増えた とき
⑥大量のアルコールを飲んだ時
低血糖はなぜ悪いの？
かりに低血糖になったタイミングで自動車を運転していた場合、低血糖になり意識がなくなると大きな事故となってしまいます。
それだけでなく、低血糖は不整脈や心筋梗塞を惹起して突然死を引き起こしたり、脳に致命的な損害を与えたり、認知症、うつ病になりやすくさせる と言われています。
自分自身、そして周りにいる大事な人を守るために低血糖を予防していきましょう。
低血糖の治療はどうするの？
低血糖症状を 自覚 した 場合 、すぐに 糖分 を 摂取 してください。
血糖測定器 を 持って いる 方 は、 なるべく血糖値 を 測定 して、その値が本当に低血糖であるか確認したあとに糖分を摂取してください。
稀に、低血糖だと思って糖分をとろうとしたけど、実際は低血糖でなく立ち眩みであった といったこともあります。
糖分を摂取して10分もすれば低血糖状態を回避できることが多いですが、糖分を摂取して15分程度安静 にしても症状の改善がなければ 、再度糖分を摂取 してください。
♠糖分摂取の目安
・ブドウ糖 10g（薬局、ドラッグストアに売っています）
・砂糖 20g
・糖分 を 含むジュース 、100～200ml 程度
野菜ジュース、牛乳、ゼロカロリーや無糖のジュース、チョコレート、あめは低血糖時に対処方法としては適切でないとされています。
ただし、なにもしないよりかはましですので、ブドウ糖や砂糖がない場合は、チョコレートやあめなどの甘い物をすぐに食べるようにしてください。
周囲にいる人はなにができる？
患者様本人が低血糖になって意識を失ってしまうと、患者様本人がブドウ糖を飲むことが出来なくなってしまいます。
その場合は、周囲にいる人が、（できれば血糖測定をした上で）ブドウ糖や砂糖を水でといて、患者様の口唇と歯肉の間に塗りつけて、救急車を呼んでください。
また、バクスミー®という点鼻薬が、低血糖の治療として比較的簡単にご家族様が使用できますので、興味のある方は一度医師にご相談ください。
＜バクスミー本体＞
お値段：1瓶8,368円 ですが、保険が効きますので1割負担の方であれば840円弱、3割負担の方であれば2510円 となります。
有効期限は約2年間となっております。
自動車 の 運転 について
上述したように低血糖を起こしやすいタイミングはありますが、実際はいつ低血糖になるのか予測がつかないのが現状です。
よって、自動車 を 運転 される 方 は 車内 にブドウ 糖 や 糖分 を多く含む食品 を 常備 することが 望ましい です。
その上で、
・空腹時 の 運転 を 避け ること
・運転前 の 血糖測定 を 行い 、 低血糖 でないことを 確認してから運転すること
・運転中 に 低血糖症状 を 感じた場合 は、すぐに 路肩 に車 を 止めて糖分 を 摂取 し、 症状 が 改善 してから 運転 すること
をお願いします。
無自覚性低血糖と自動車運転免許
自動車免許を取得または更新する際には、無自覚性低血糖の有無が問題となり、自動車の運転時間帯の血糖コントロールがきちんと行われているかが重要になります。
車を運転する際には必ず血糖測定を行い、100mg/dl以上であることを確かめましょう。
血糖値が低い場合に糖分の多い食品をとるようにして、きちんち血糖の自己管理ができるなら、免許の取得や更新は可能です。
